21世紀ビジネス講座

指定管理者制度

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新しい魅力的な制度でビジネスは拡がる

コンテンツが求められる時代

それぞれのポイントは、地方自治体にとっては費用が縮減されること、利用者にとってはサービスのレベルが高まること、そして民間にとってはきちんとビジネスとして成立すること。それぞれがこうした関係でないとおそらくうまくいかないと思います。

新しく公民館をつくる。今までは、公共工事を行って箱をつくり、外郭団体をつくって運営をまかせるようなことをやっていたのが、これからは運営は最初から指定管理者になるのです。立派な施設を公共工事でつくる。そして、施設ができる前に指定管理者を公募します。これだけの機能がある施設をどういう企画で運営しましょうか、と。企画も含めて維持・管理をやってくださいというケースが増えると思います。住民や企業がどう利用するかを提案してもらう、施設の利用のあり方も含めた入札になる。コンテンツが求められる時代になりつつあるんですね。

よく見てリスクを判断

民間にとっては、よく案件を調べ、施設の環境を見て、リスクのあり方がそれぞれ違うことを正確に理解する必要があります。たとえば施設の維持・管理だけだったら、費用は定期的に地方公共団体からもらえるのでリスクは少ないですね。でも、市民ホールの場合のように、どうやってこの施設を企画・運営するかを考え利用料金で採算をまかなってください、ということになると収入面でリスクがある。

指定管理者になるほうにとっては、求められているのが単純な維持・管理だけなのか、コンテンツなのか、それとも住民本位の企画なのか。それによってリスクが異なってきます。よく見てリスクを判断していく必要があります。

リスクを可視化する

いろんなパターンがあり得ます。すでに複数の企業が連携しながら行う共同事業体も、地方レベルでできています。地元のコンテンツ・プロバイダーと施設管理を行うところがいっしょになり、お互いにリスクをシェアしながらやっているようなところもあります。

リスクの問題をきちんと解決してうまくやっていくからこそ、よいサービスが提供できる。リスクの枠組みを真剣にコスト化して見えるようにしておく必要がありますね。そういう意味では、今までは見えにくかった公共施設のリスクが可視化されて見えるようになるというのも、この制度のよい点かもしれません。

今までなかったサービスや仕組みが生まれる

住民にとっては、今までにないサービスが生まれるかもしれないし、サービスの質そのものが向上するかもしれない。公共施設のあり方そのものが変わるかもしれないですね。また、地方自治体にとっては、今まで100のコストがかかっていたものが80でできるようになるかもしれない。地方自治体が考えつかなかったような施設利用のあり方が、民間の創意工夫によって生まれるかもしれない。おそらく地域に密着したところのほうが、そうしたアイデアは出しやすいのではないかと思います。

たとえば同じような施設が何十もあったときに、それらを一定数にグループ化しようという考え方も生まれるでしょうね。やはり一定の規模の経済があったほうがやりやすいですから。たとえば、A公民館とB公民館を共通のグループとして管理していけばコストは削減できる。十分な利幅を確保しながら安く運営できるようになるわけです。

拡がるビジネスチャンス

公共施設は、予算、人員、組織、体制などに縛られて、なかなか今まで身動きがとれていなかったんですね。戦後日本は、公共施設はこうあるべきだという画一性、均一性、平等性の考えで、どこへ行っても公共施設は同じ。それが正しいと思われてきたから、量の充足に焦点がいっていたんです。今はそうではない。住民は質を求めている。各地域ごとの特徴や面白さなりがあってもよいわけです。考え方を変えながら、新しい公共施設のあり方を各自治体で考えていくことになると思います。

よい箱とよいコンテンツがあって、はじめて住民に対してよい公共サービスが提供できると思います。指定管理者制度は、そうしたサービスのあり方についてあらためて考える、大きな契機になったことはまちがいないですね。今までまったく面白くなかった施設が、ひょっとしたら面白くなるかもしれない。サービスの価値が上がるかもしれないし、地元の企業が核になりながら、新しいビジネスチャンスが着実に生まれてきていますし、今後も拡大していくと思います。

たとえば、建設業のところが維持・管理の業務にも入ってもいいわけです。同じ人を使う分野であるし、清掃や警備など、施設に関連するファシリティのマネージメント業務を提供する。公共工事が減って仕事がなくなってきているのなら、そうしたところに仕事の幅を拡げていけばいい。あるいは、コンテンツを提供するところが、アイデアを提供することをやってきたけれども、さらに施設の維持・管理もできるかもしれないからいっしょにやってみようということもあり得る。拡がりがでてきて、いろんな機能を持ちながら事業を拡大し展開していくことができる。もちろん地元の企業としてのステイタスにもなると思います。

これからは、もっと色々なビジネスチャンスが生まれてくると思います。それに、さらに色々な行政手法も登場してくると思います。それだけのニーズが、この市場にはあるのです。

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