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――大企業を相手にPFIを勝ち取る“秘策”のようなものがあれば、ぜひ、アドバイスをいただきたいのですが。
まずは得意分野の絞り込み。自社は福祉に強いとか、医療に強いとか、需要の多い分野等を予め調査し、オペレーションにおいて他社に負けないノウハウを有する得意分野を定めることです。PFIの王道ですね。例えば福祉に優れた業績を持つ企業であれば、建物の設計のみならず運営面などのマネジメント全般にわたってノウハウが蓄えられているものです。次に応札への準備をしっかりとすること。しかも、早い段階から開始することが重要ですね。どこと組むのか、誰と組むのか、すべての意志決定を早めに行うことが、コスト削減を含む構想のクオリティを上げ、提案力を高めます。そのためにも、PFIの公募1ヵ月前位に出される「可能性検討」の公報を詳細にチェックすることも大切です。また「内閣府ホームページ」、「PFIインフォメーション」、「ふるさと振興財団」などの発信情報を覗いてみるのもいいでしょう。よくPFIならではの応札ノウハウという質問を受けますが、その特殊性であるファイナンスや契約上の知識は全体で20%もないと思いますよ。要は通常のビジネス戦略と全く同じだと考えて良いと思います。
――いろいろとお話を伺ってきましたが、PFIビジネスにおけるリスク対応にはどんな備えが必要なのでしょうか。
PFIのリスク対応策としては、まずオペレーション上のミスを最大限おさえる次のような事前対策が挙げられますね。その分野に強いところと組むこと。不得意な分野に手を出さないこと。持っているノウハウを分散しないこと。こうしたことは前にも申し上げたPFIへの取り組み姿勢そのものですが、リスク軽減を図る最良の手段でもあるのです。リスクマネジメントも他社との優位性を際立たせることになるかも知れません。またPFIは官と民のリスク配分といわれますが、基本となるのはまず民がリスクを背負い、その後にどうしても民間では背負い切れないリスクを排除する形で、官が引き受けるのが一般的です。アセットリスク、オペレーションリスクは、事業によって大きく異なります。まだまだ歴史の浅い日本のPFIにおいては事例が少なく、SPCのリスクへッジに関してはまさにこれからのノウハウといったところでしょう。保険の果たす役割に関しても、業態によってはアウトソーシング先に団体保険等がある場合もあり、その詳細については三井住友海上等の専門家に相談されるベきでしょう。
――最後になりますが、中堅・中小企業とPFIの今後の展望をどう見ておられるかお話しいただけたら幸いです。
ここ2、3年、公共事業の急激な衰退により、特に地方の中堅・中小企業に元気がないと聞きます。しかし、私の知っている企業の中には新たな活路を見つけだして元気の出てきた企業もあるのです。PFIもそうした施策のひとつとして捉えられたら良いと思います。いまでしてきたことを活かしやすい分野なのです。私の持論ですが、建設会社やエンジニアリング会社は、お客様のニーズを聞いて、必要なパート、パートをコーディネイトしてきた実績があります。また工程管理、技術評価能力、交渉能力に秀でており、モノをつくることで培ったノウハウを新たにオペレーションに向けても十分に通用するのです。往々にしてハード系の会社は自分たちが見えていない。もちろん、自分たちのいい面ですが。端的にいえば、実はハードを構成するノウハウを売っていたのです。このノウハウを他に売ればビジネスになる。チャンスはもう目の前にあるのです。
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