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いまだ一般になじみの薄いPFI。
しかし、確実にPFIビジネスの実績は重ねられています。
はたして企業にとっての最大の魅力は何なのでしょうか。

――日本にPFIを紹介された第一人者として、いま、我が国でPFIが注目される時代背景のようなところからお話しいただけますでしょうか。
公共が主体となったこれまでの公共サービスの発想が、時代にそぐわなくなってきた。つまり、オペレーションサイドと設計サイドが同一でないために、過剰仕様、過剰リスクという弊害が生まれ、コストばかりが肥大化した時代といえます。オペレーション側が設計を担当することにより仕様の最適化を実現し、全体の中でのコストダウンを図る方向へ転換せざるを得ないといった状況こそが、PFIに目を向けさせているのでしょう。仕様の最適化が達成されれば、少なくとも10%以上のコストダウンが可能となるでしょう。またPFI は “小さな政府”といった言葉に象徴される地域や地方の時代にふさわしい新たな事業形態としても大いに注目を集めているのです。

――従来型の公共事業は、何が問題だったのですか。
ひとつは「技術」で、公共はこれまでオペレーション側の人材の雇用・育成よりも、初期投資のための技術ばかりに力を注いできたこと。次に「財源」ですが、公債に依存し過ぎたことによるアンバランスが挙げられます。ポートフォリオ的に見ても、公債偏重から脱却し、資金を多様化する必要がありますね。3番目は「ニーズ」です。公共の建物がハードだとすれば、そのハコが十分に活用されるような運用サービス面での立ち遅れです。

――どうやら日本では、PFIがまだ正しく理解されていないようですね。
「プライベート・ファイナンシャル・イニシアティブ」という名前からでしょうか。日本では、ファイナンスの部分のみが強調されて、PFI本来の意味が誤解されているような気がします。PFIへの入り口をファイナンスからではなく、施設の運営、維持管理というアウトソ−シングから入ると本質が見えやすいと思いますね。PFIはこれまでの “ハコモノビジネス”の公共事業ではなく、ハコをつくった後に派生する質の高い公共サービスを恒久的に提供し続けるための各種アウトソ−シングビジネスを背景としているのです。事実、PFI先進国のイギリスでは、官からのアウトソ−シングの長い歴史があり、その経験を基にPFIが始まったのですから。

――潜在するアウトソースビジネスの市場規模はどの程度だとお考えですか。
イギリスでは公共投資の中でPFIが占める割合は20%弱といわれています。日本の公共投資は約40兆円ですから、イギリスにならえば8兆円弱ですが、その3分の1程度と見積っても3兆円規模となります。オペレーション部分は初期投資(3兆円)×2÷20(20年契約)で試算され、およそ3,000億円。さらにPFIが対象となるアウトソ−シングだけでもオペレーション部分の30倍が見込まれますから、9兆円から10兆円のマーケットといえるでしょう。いずれにせよPFIの初期投資より大きいのは確かです。

――では、中堅・中小企業にとってのPFIへの可能性、あるいは取り組み方についてお聞かせいただきたいのですが。
先にもお話ししましたように、各種のアウトソース分野を必要とするPFIは、新規の公共事業が縮小化へ向う時代にあって、新たなビジネス分野です。こうした理解ができれば、中堅・中小企業にとってもPFIの見方が違って来ますよね。アウトソースビジネスの獲得、まずはここに目を向けることが先決です。さらに付け加えれば、アウトソーシングビジネスは新規の案件だけに派生するものではないということです。既存の建物でも、時代や住民ニーズに合せた高品質なサービスとそのためのリペア等が必要とされ、そこにもまたアウトソーシングビジネスのフィールドが待ち受けているのです。

――具体的にはどのあたりから取り組みを始めたら良いとお考えですか。
PFIそれ自体への応札は、ノウハウや経験面、そして応札のための資金面でも相当な覚悟を必要とします。何より自社が長年培ってきたノウハウや経験が生かされる得意分野を再認識され、そのジャンルのアウトソ−シングビジネスを獲得されていくのが良いかと思います。ことに地方において、そうした手段が有効です。というのも、地方は公共側の人材不足等からアウトソ−スのニーズが高いことが挙げられますし、地域密着型のアウトソ−シングビジネスでは、その土地柄に造詣が深く、これまでにもその地域の事業を多く束ねてきた中堅・中小企業の強みが活かせるからです。